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追憶の雨の中

アラサー。創作をしています。不定期更新です

あの夏も海も空も

そらはたいてい空を指し、大空も蒼空も翔も颯も天も大翔も、穹も、そらだ。
僕は空がなぜそんな字になったのか、他のそらと読む字にある共通点はあるのか、考えたことがある。
実はあのそらたちは、全て、虚に集約されているのではないか。
そらと呼ばれる、目に映るものは、全て虚である。
もちろん見上げれば空はある。
しかし、実に実態の薄いものである。
どこまでが空で、どこから空でないのか。
僕にあまり学はない。
しかしながら、山際であるとか、成層圏であるとか、空に境があるということは知っている。
しかしそんなもの、あくまで人の都合であろう。おそらく。
手を伸ばしても空は掴めない。
だから僕は、空なんてものうすら寒いお化けとそう変わらないと思っている。
それでいながら、僕は上を見る。
雨の日も風の日も、晴れの日も。
雪の日も見るんだろうが、あまりに雪の日が少なくて覚えていない。
お化けは嫌いだ。
空は好きだ。
表裏一体とはよくいったもので、
僕はあの言葉に心底感心している。
お化けと空のように、
虚にも陰と陽がある。
いつか、その両方を好きになれるだろうか。
僕の好きな人がいってた。
お前はいい奴だ。変わらないよ。
薄情で不器用で、どうしようもない。
それがいいんだ。
僕は変わるだろうか。
変わらずにいられるだろうか。
いずれにせよ、僕は君を忘れない。
あの夏も海も空も。