追憶の雨の中

アラサー。創作をしています。不定期更新です

お題小説 花火

きりこ細工を施したパラシュートのできそこないのような薄暗い照明の中に、僕はいた。
近くに高層ビルがあるおかげで、外にいたとき浴びた日光はほとんど入らない。
こうもりが夕暮れかと勘違いをして飛ぶくらい、ここはいつも薄暗い。

何本目かの煙草を消し、時計を見る。安っぽい造りをさらに助長させる、文字盤で涼しげに揺れるロケットが、先程からそんなに時間が過ぎていないことを知らせてくれた。
昔親父から買い与えられた、ビニル製の腕時計を思い出す。
あれはどこへやっただろうか。

2回目の逢瀬にここを指定した本人はまだ見えない。
思えば幸の薄そうな顔をしていた。
居酒屋で偶然隣り合わせになり、酒の勢いも手伝って意気投合した。

友人に勧められたという、中央にヘビが描かれているブレスレットを付け、幸運がどうたら、と熱心に話していた。
僕にもどうか、とカバンの中から大量に取り出し、勧められるまま黄色のふさのついたのを、もらってしまった。

改めて取り出し、眺めてみても玩具としかいいようのないクオリティの低さである。

「すみません、お待たせしてしまって」

噂をすればやってきた。

「いや、大丈夫ですよ」

言いながら山と積まれた吸殻を横目に見てしまい、しどろもどろになる。
もう一度すみません、と申し訳無さそうに頭を下げられてしまった。

「お連れ様、ご注文は」
「あ、私もアイスコーヒーで」

タイミング良く運ばれてきた僕の分を勧めるも、片手で制される。
仕方なくお先に、と口にし、本題を切りだす。
が、何故か言葉がまとまらない。意識が朦朧としてくる。
思い返せば蚊取り線香のような、妙な匂いがしたことを、消えゆく意識の中で後悔した。

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蛇足という名のあとがき

花火から連想したもの。
瞬時。
娯楽性高い。
煤。煙。爆音。
打ち上げや仕掛けなどの華やかさ。
線香花火などの玩具花火の地味さ。
突然の終幕。

を、総合したらこうなった\(^o^)/
せっかくだから〇〇花火系を全部登場させてみた。思いつく限り。

続きません。
オチとしては「そして冒頭に戻る」のループもののつもりでした。
だから僕が次は私の立場になってるかもよって感じです。