追憶の雨の中

アラサー。創作をしています。不定期更新です

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空気を変えたのは隣の子だった。
話したことはない。
私は別の子と仲良くしてたし、グループも違っていた。
何だったら名前もあいまいだ。

堂々と自分がしたと宣言した子がいたから、悪い子が決まった。
先生は誰かのせいにしたがっていたから、ちょうどよかったみたい。
特に誰かが悪いわけじゃなかった。
騒いでいる何人かがいた。

私じゃない。
私はどっちかって言うとジミーズって感じだから。
で、どっちかって言うと隣の子はハデ。

言った途端にあっという間にその子だけが悪いことになって、その子が言い出したとか言われて、ほんとは違う子なのに怒られるべき他の子は何も言わない。

次からしないようになんて、効果のない言葉でその場はなんとか収まったけど、それから変になった。

日々起きるほとんど全ての悪い出来事の中に、その子がいた。
本当だったのか、誰かがなすりつけたのか、私は知らない。
全てではないと思いながら、私はそれを口にしなかった。
そして本人も肯定し続けた。

友達でも何でもない。
同情の気持ちもない。
ただ、私は聞いてしまった。

「アタシが悪かったらみんな安心でしょ」

聞き取れたのは私だけ。
そこまで自己犠牲的な気持ち、私は到底芽生える気がしない。
なんと表現していいか分からないけれど、楽しんでいる気がした。
怒られるのも、悪い子になるのも。
あの子はあえてその位置に立ってる。
たった一人で。
望まれる姿になりきっている。
終わりも始まりもこれからも、自分の選んだ道を歩き続ける。

GAME。