創作再開しました。不定期更新です

2016-01-01から1年間の記事一覧

化身

誰でもいいわけじゃないのに、誰でもいいような、そんな言い方をしてみる。 相手は怒る。 もしくは、同意し、お互いを偽ったまま、関係が進む。 夏場の、しばらく放置されたアイスコーヒーのような、生ぬるさ。 あるいは、風呂から上がって、少しのぼせ、ぼ…

無敵のキミ

始めは、大概統率がとれていない。 指揮が機能していないと、混乱を呼ぶ。 指揮は、偉そうであってはいけないが、頼りなくても困る。 綿密な打ち合わせ、緊急時の対処法、何かひとつでも欠ければ、今後に関わる。 何も、始めだけが肝心なわけではない。 折に…

流れ星

ここは大事だからと言われた、マーカーの箇所をまとめ直す。 たくさん引きすぎて、よくわからないけれど、大事なんだろう。 先生が声を大きくしたところも、大事だという印をつけている。これも書かないと。 こんなにきちんと聞いてるのに、僕のテストはいつ…

誕生日には真白な百合を

眠い目をこすり、送信ボタンをぽちり。 君への誕生日メール。 12時ぴったりに送るなんて風習、誰が始めたのか。 面倒だけれど君が待ってくれているなら、仕方ない。 義務のようになっている3年目のメール。 どちらかがやめれば終わるはずなのに、続いている…

旅人

買ったばかりのイヤホンが、お気に入りの音楽を流す。 アップテンポで、鳴るだけで僕のテンションはちょっと上がる。 うっかり、リズムを刻んでしまいそうになる。 こんな、都会の町中で。 リュックサックには、最低限の着替えと荷物。 重たくなるのは苦手だ…

ただ僕が変わった

本日はグリーンティーホットケーキのご紹介です。 まず、グリーンティーの分量は大さじ5杯。 生姜を1.5センチ加えまして、卵1個に水150ミリリットル。 ホットケーキミックスは200グラムご用意ください。 だまにならないよう、ボウルでかき混ぜます。 油を引…

恋人

吐く息が、白くなった。 鼻も手もかじかみ、僕は本日何軒目かのコンビニへと足を進めた。 青と白のトレードマーク。 お団子頭の女の子。 吊るされたポップには、茶色と白の紙コップが描かれ、ぽつんと家がたたずんでいる。 定刻を知らせるアナウンスが、時の…

milk tea

ご飯を炊く。3合、まとめて。 僕の家の炊飯器の限界。 「のの連続」とご丁寧にご指摘されたが、そのまま無視して入力する。 布団を干す。 よく晴れた日で、髪を切ったり、手首を切ったりはしないが、気持ちのいい空だ。 やかんがつかの間騒々しく鳴り響き、…

もっとそばにきて

朝目覚めたとき、朝日が遮光カーテンを潜り抜け、僕に眩しさを届ける。 ティファールモドキに水を注ぎ、寝ぼけ眼のまま歯を磨く。 洗面所兼用の風呂場に入り、手ぐしで適当に寝癖を直し、顔を洗う。 隣で寝ていた彼女は、起きてるときと正反対の大胆さで開脚…

あの夏も海も空も

そらはたいてい空を指し、大空も蒼空も翔も颯も天も大翔も、穹も、そらだ。 僕は空がなぜそんな字になったのか、他のそらと読む字にある共通点はあるのか、考えたことがある。 実はあのそらたちは、全て、虚に集約されているのではないか。 そらと呼ばれる、…

IT’S ONLY LOVE.

世の中にないものは、すぐに思い付かない。 世の中といっても広すぎるし、僕の狭すぎる世の中と比べては、申し訳なさ過ぎるからだ。 だから、分からない、というのが答え。 身の回りにないものなら、よく知っている。 たとえば、マヨネーズ。それに、ソース…

幸福論

少しずつ少しずつ、小さな口で物が食まれていく。 懸命に顎を動かし、時々噛むのを諦め咀嚼し、これまた小さな手が伸び、つぎのものを取る。 勢いはない。また、ふと視線を反らせば途端にその気配が消えるほど、静かだ。 食べる、とは違う。 話は散歩するが…

その笑顔が見たい

10月が始まった。 たとえば、かのローマ字表記をkにすべきか、cにすべきか、というくらい、すがすがしく、無責任な始まりだった。 かといって、たかが月日ごときが、人生の重大イベントほど、重々しくてもかなわない。 僕は、また書き物を始めることにした。…