創作再開しました。不定期更新です

流れ星

ここは大事だからと言われた、マーカーの箇所をまとめ直す。
たくさん引きすぎて、よくわからないけれど、大事なんだろう。
先生が声を大きくしたところも、大事だという印をつけている。これも書かないと。
こんなにきちんと聞いてるのに、僕のテストはいつもそこそこ。
基本はできても、応用がきかないんだって。
それって、僕の頭は賢くないよってことなんだろうか。
目立たなくて、成績もそこそこで、素行も悪くなくて、真ん中の評価ばかり。
それが僕。
人より少し遅いから、いつも休み時間までかかってノートを書き終える。
きれいなノートを作れば、先生は誉めてくれる。
お母さんもお父さんも、僕に勉強しなさいといわない。
普通の家で、たまに親子喧嘩もして、でもそんなに逆らわない。
だって、それが一番正しいといわれるから。
親の言うことを聞いていれば、僕はいいようになるはずなんだと、彼らはいうから。
友達は言う。
お前もたまには逆らえよ。
なんでか、僕にはわからない。
そんな意味のないこと、してどうするの。
ぼんやり、おだやか、ゆっくり。
僕に当てはめられるレッテルたち。
怒ったら、爆発するんだろうか。
知らず知らず、どこか疑問に思っていた、積もり積もったものたちが。
僕の中にも、積もってるのかな。
頭をふってみた。
首がぺきぽきと音をたてた。テスト勉強を長時間していたせいか、肩が凝っているのかもしれない。
視界が左右に揺れた。
ふって、少しは積もったのが崩れたかな。
僕が僕の殻から出るとき、僕が怒りたくなったとき、無性に逆らいたくなったとき、隣にもたれる人はいるだろうか。
この人のことだったらもっと聞きたいとか、この人だったら言えるとか、そんな人。
どんな未来を見せてくれるのかな。
一緒に、見つけてくれるのかな。
分からない答えを考えてくれるのかな。
もっと大きくなったら、どこか遠くにいる人たちの、誰かと気が合うってことも、わかるんだろうな。
友達たくさんできるかな。
早く知りたいな。
早く大人になりたいな。
あ。
流れ星。