朝焼けに檸檬

アラサー。創作をしています。不定期更新です

流れ星

ここは大事だからと言われた、マーカーの箇所をまとめ直す。
たくさん引きすぎて、よくわからないけれど、大事なんだろう。
先生が声を大きくしたところも、大事だという印をつけている。これも書かないと。
こんなにきちんと聞いてるのに、僕のテストはいつもそこそこ。
基本はできても、応用がきかないんだって。
それって、僕の頭は賢くないよってことなんだろうか。
目立たなくて、成績もそこそこで、素行も悪くなくて、真ん中の評価ばかり。
それが僕。
人より少し遅いから、いつも休み時間までかかってノートを書き終える。
きれいなノートを作れば、先生は誉めてくれる。
お母さんもお父さんも、僕に勉強しなさいといわない。
普通の家で、たまに親子喧嘩もして、でもそんなに逆らわない。
だって、それが一番正しいといわれるから。
親の言うことを聞いていれば、僕はいいようになるはずなんだと、彼らはいうから。
友達は言う。
お前もたまには逆らえよ。
なんでか、僕にはわからない。
そんな意味のないこと、してどうするの。
ぼんやり、おだやか、ゆっくり。
僕に当てはめられるレッテルたち。
怒ったら、爆発するんだろうか。
知らず知らず、どこか疑問に思っていた、積もり積もったものたちが。
僕の中にも、積もってるのかな。
頭をふってみた。
首がぺきぽきと音をたてた。テスト勉強を長時間していたせいか、肩が凝っているのかもしれない。
視界が左右に揺れた。
ふって、少しは積もったのが崩れたかな。
僕が僕の殻から出るとき、僕が怒りたくなったとき、無性に逆らいたくなったとき、隣にもたれる人はいるだろうか。
この人のことだったらもっと聞きたいとか、この人だったら言えるとか、そんな人。
どんな未来を見せてくれるのかな。
一緒に、見つけてくれるのかな。
分からない答えを考えてくれるのかな。
もっと大きくなったら、どこか遠くにいる人たちの、誰かと気が合うってことも、わかるんだろうな。
友達たくさんできるかな。
早く知りたいな。
早く大人になりたいな。
あ。
流れ星。